ストップ狩りとは、個人投資家のストップ注文(損切り注文)を狙い、相場を意図的に操作して損切り注文を刈り取る行為のことです。
下落がどんどん加速していって、いきなり下にワープするように陰線を引いてるのを目撃したことがないでしょうか。
これがストップ狩りが発生した瞬間です。
ストップ狩りによって下にワープしたら、次は上にバーンと戻す。この激しい戻しがヘッジファンドの利益確定の買い戻しです。
このストップ狩りですが、自分が被害にあったらとんでもない大損失とメンタルがやられ再起不能です。
そこで今回は、ストップ狩りについて徹底解説!ストップ狩りを防ぐ方法やストップ狩りを利用したトレード手法も解説します。

メガ管理人はストップ狩りらしき現象を何十回も目撃しています!それくらい頻繁に発生するので気を付けてください。
ストップ狩りとは(ロスカット狩り)
ストップ狩りとは、市場に出ているストップロス注文(損切り注文)を、ヘッジファンドのような投機筋が狩りに行くことです。
ストップ狩りはヘッジファンドが利益を上げようとする手法の1つで、別名「ストップ・ハンティング」と呼ばれることもあります。
【ストップ狩り手法の例】
投資家の方は、一般的に損失を限定するために損切り注文を設置します。
などには、多くの投資家たちのストップロス注文が入っていると考えられます。
投資家たちは市場に大量の売り注文を出し、ストップロス注文がたくさん入っていると予想される値段まで無理やり相場を下げようとします。
大量の売り注文が入ったことでレートがどんどん下がり、90円を割れるとストップロス注文が大量に引っかかり、それが後押ししてさらにレートは下がります。
そして、最初に売っていたヘッジファンドを買い戻すことで利益を確定させるのが、ストップ狩りです。
ストップ狩りには大きく3つある
ストップ狩りには大きく分けて3つあります。
- ヘッジファンドが意図的に行うストップ狩り…合法
- FX会社が意図的に行うストップ狩り…違法
- システムトラブルが原因のストップ狩り…グレー
ヘッジファンドが取引戦略として行っているストップ狩りは、合法的な投資手法といえます。
しかし、FX業者が意図的に行うストップ狩りは「不正な価格操作」なので違法行為になります。
システムトラブルが原因のストップ狩りについては、意図的に起こしたものではなくグレーです。ただ、システムトラブルを起こすような信用できない業者は生き残っていないので遭遇する可能性は低いです。
ヘッジファンドが意図的に行うストップ狩り
ヘッジファンドが意図的に行うストップ狩りでは、個人投資家の損切り注文(ストップ注文)を狙い、売り注文を大量に仕掛けることで狙った方向に相場を動かします。
【ヘッジファンドのストップ狩りの手法例】
ドル円が100円~103円の間を行き来する「ボックス相場」で、ドル円が100.10円まで下がってしまった際に、
ほとんどの個人投資家は「相場はまだ持ちこたえる」「ここが底だろう」と予想します。
しかし、相場が100円を下回ってしまうとボックス相場が終わってしまうため、相場はそれ以上に大きく下落すると予想されるのです。
そのため多くの個人投資家は、
- 100円という切りのいい数字
- 割ってしまった99.9円
あたりにストップ注文を入れていると予想されます。
ヘッジファンドはそのストップ注文が溜まっているあたりに売り注文を大量に出して、さらに強制的に相場を下げようとするのです。
そうなると、100円以下にストップ注文を入れていた、個人トレーダーからの大量注文が相場の下落を後押しします。
ヘッジファンドはこの下落で一気に買い注文して利益を得ます。
これが「ヘッジファンドによるストップ狩り」です。
ただし、為替の流動性はとても厚く、大口投資家であっても為替の操作は頻繁に行えません。
トルコリラなどは取引高が少ないので操作することはできなくもないのですが、米ドル円のような主要通貨でストップ狩りが行われることは難しいです。

雇用統計など重要な指標時に目撃したことがあります。逆に下げすぎた時が買いのチャンスです!
FX業者が意図的に行うストップ狩り
FX業者が意図的に行うストップ狩りでは、FX業者が不正にレートを動かすことで個人投資家に損切り注文をさせ、FX業者に利益を発生させる行為です。
特に多いのがスプレッドの調整により行われるストップ狩りです。
スプレッドを広げることで、個人投資家のストップ注文を刈り取って、カバーですぐに利益が獲得できます。
【FX業者のストップ狩りの手法例】
個人投資家が100円でストップ注文を入れていたとします。
この時にFX業者のドル円のレートが100.2~100.5円だったとします。
その後、急にFX業者がスプレッドを広げた場合、個人投資家のストップ注文が引っ掛かり、損が確定してしまいます。
そして、FX業者は100円で個人投資家からドル円を買ったことになり、その後すぐに銀行に100.2円で売れば、差額分20pipsがFX業者の利益りなります。
システムトラブルが原因のストップ狩り
FX業者が提示する為替レートに異常値が発生している場合に起きます。
主にシステムトラブルが原因で発生するストップ狩りなので、意図的に起こしたものではない場合が多いです。
【システムトラブルが原因のストップ狩りの例】
業者Aが実勢レートとかなり離れたレートを提供することにより、業者Aは損切りにあってしまうことがあります。
しかし、実際はそんなレートは存在せず業者Bでは損切りにあわなかったということが起こるのです。
競争率が高いFX業界なので、頻繁に異常値が発生してしまうようなFX業者は投資家から使われなくなるので、十分な対策が施されている場合が多いです。
優秀なFX業者しか残っていないため、可能性としては低いと思って問題ありません。
ストップ狩りが起きやすいのは流動性が低い通貨や時間
ストップ狩りは流動性が低い時でないと難しいので、流動性が低い通貨や時間に起きやすいといわれています。
どれだけ資金があっても、大量に売りに出しレートを動かせたとしても、FX取引に参加する人数が多ければその操作が反映されにくくなるからです。
ストップ狩りは流動性が低い通貨、マイナーな通貨で行われる場合が多くなっています。
また、通貨の種類に限らず、ストップ狩りは流動性が低い時間帯に起こりやすいのが特徴的です。
日本時間での流動性が低い時間は早朝6:00頃で、ちょうどNY市場のFX取引が終了した時間です。

早朝など注文が薄いときに目撃したことがあります。
ストップ狩りで個人投資家がパニックで狼狽売りをする
大手ファンドの売り浴びせや逆指値注文による約定により相場が大きく下がっていく様子を見ることで、浮き足立ってしまう投資家は多いのです。
FX経験が浅いトレーダーを中心にパニック売りが生じるため、ストップ狩りは予想しているよりも大きく相場が下がってしまう危険性があります。
このような流れが起きます。
でも実際はヘッジファンドが大きく買い戻しをしてくるために元に戻ることが多いです。

狼狽売りで下落が加速!値段が行き過ぎるので買いのチャンスです!
ストップ狩り後は大きく買い戻される下ヒゲをつけることが多い
ストップロス狩りのためにドル売りポジションを保有していたヘッジファンドも、利益を確定させることを目的としどこかのタイミングでドルを買い戻す必要があります。
このタイミングを間違えてしまうと、相場がドル高に変わるなかで、今度は多くのドル売りポジションを保有していたヘッジファンドが嫌な状況に追い込まれてしまいます。
追い込まれたヘッジファンドは、少しでもマイナスを小さくするためにドルの買い戻しを一気に進めます。
その結果ドルが底を打った時に、一気にドル高トレンドが現れる可能性があるのです。

底を打つ前に下にグイーンしてコツンと音がします。それが底を打った音です。
ストップ狩りを利用したトレード方法
短時間で値を大きく戻すヘッジファンドの買い戻しには、大きな利益を獲得できるチャンスがあります。
メガ管理人が編み出したストップ狩りトレード手法をご紹介します。
【メガ管理人のストップ狩りトレード手法①】
現在、ドル円が101円だとして、99.9円にストップ注文が入っていると想定します。
101円の50pips下の99.5から10pipsおきに分割して買い注文を入れます。
経験上、ストップ狩りが行われた後は、買戻しによる買いの急反発が起きますのでそこですぐさま利確です。
【メガ管理人のストップ狩りトレード手法②】
雇用統計や小売売上高などの重要指標の発表前に、今のレートよりありえないくらい下で指値買いの注文をしておきましょう。
そんなとこまでくるわけないだろうという値段ですので、「刺さったらラッキー」「刺さらなかったらまた来週頑張りましょう!」程度の気持ちでいましょう。
このようにヘッジファンドの戦略を前もって把握しておくことで、大きな損失を生むのか、大きな利益を生むのか自分の立場が別れることを理解しておきましょう。
ストップ狩りが起こりやすいのはキリがいい数字やキリがいい数字を少し過ぎたり、最近で1番の高値を少し過ぎたり、最近で1番の安値を少し過ぎたりしたタイミングです。
ストップ狩りによりポジションを狩られたとしても、そこで諦めないでください。
底を打ち反転する段階でドルの買いポジションを保有して、損失を取り戻すチャンスがあります。
ストップ狩りを防ぐ注文方法
ストップ狩りを防ぐ方法は、それはストップ注文をしないことです!
ストップ注文を複数に分ける
ストップ注文を複数にわけることでストップ狩りを防ぐ方法です。
注文を1つにまとめるとFX取引を把握しやすくなり、売却時にかかる手間を可能な限り抑えることができます。
しかし、その分ストップ狩りにより受ける被害は大きくなるのです。
ストップ狩りの被害をより少なくしたい場合は、逆指値注文の設定を複数に分けておくことを推奨します。
通常よりも取引を約定する為替レートを低くした逆指値注文を用意しておくと、資金の一部を回収することが可能です。
もちろんストップ狩りを避けられた場合には、為替レートが上がったところで売却してください。
損失を補い利益を生んでくれる可能性も期待できます。
ストップ注文が入りやすい価格帯を避ける
ファンドが予想していた逆指値が、自分のものと違えば大きな損害を受けることはありません。
そのためファンドが逆指値だと判断しやすい価格帯を前もって把握しておき、そこに逆指値を設定しないよう気を付けましょう。
ファンドがストップ狩りを考える価格帯の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
これらの価格帯を回避するだけでも、ストップ狩りの被害額を大きく低下させられることが期待できます。
ストップ注文の幅を広げる
ストップの設定幅を広げる方法がありますが、こちらは上級者向けとなります。
ただし、ロスカットに引っかからない幅までストップ注文を広げるということは、その幅まで耐えられる証拠金が必要です。
また、広げた幅まで到達して損切りした場合は、幅を広げる前より大きな損失になります。
そのため、この方法はあまりおすすめできる方法ではありません。
ストップ狩りとは?ヘッジファンドとFX業者によるストップ狩り(ロスカット狩り)手法と対策まとめ
ストップ狩りとは「他の投資家の損切り注文を誰かが意図して成約させ利益を獲得する行為」のことです。
突然起こるストップ狩りは、大手ファンドが戦略として仕掛けてくるものなので確認後の対処は簡単ではありません。
短時間で勝負が決まってしまうため、動きをチャートで確認している間にやられてしまうのです。
多くの資金を用意できていればストップ狩りに便乗し、底値で通貨を購入することも可能です。
しかしど、こまで相場が落ちるのか、ファンド以外のトレーダーには分からないためFX経験の浅い人が買い増しで対処することはおすすめできません。
被害に遭ってからは遅いので、自分で見張っていられない時間帯にはトレードをしないようにしましょう。