pips(ピプス)はFX取引において値動きや損益を表している単位のことです。
よくトレーダーのブログやTwitterなどで「○pips勝った」「「○pips往復で抜いてやった」というような言葉を見かけますよね。
では、このpipsとは一体いくいらになるのでしょうか?
これからFXに挑戦しようと考えている人は、「pips」が表しているものや1pipsがいくらなのかといった知識を理解しておく必要があります。
そこで今回は、pipsについて徹底解説!1pipsがいくらなのかを説明します。
pipsとは?pipsの意味を解説
pipsは「percentage in point」の頭文字を取って作られた言葉です。
FX上では通貨の共通単位として使用され「ピップス」が正しい読み方です。
pipsはFX取引で使用される単位の中で最も小さいのですが、通貨ペアによっては1pipsの価値が変わります。
この通貨ごとの変化は、多くのFX未経験者を苦しめる要因となっているのです。
しかし、「日本円×別の通貨」「米ドル×別の通貨」のペアを理解できていれば、基本的には問題ないです。
pipsでの損益の計算方法
pipsで損益を計算するためには、「取引量(lot)」について知っておく必要があります。
国内FXだと1lot=1万通貨ですが、海外FXだと1lot=10万通貨の業者が多いです。
1ドル100円の通貨で取引した場合の、1pips・10pipsの損益がこちらです。
取引量 | 1pipsの損益 | 10pipsの損益 |
---|---|---|
100通貨 | 1円 | 10円 |
1000通貨 | 10円 | 100円 |
1万通貨 | 100円 | 1000円 |
10万通貨 | 1000円 | 10000円 |
100万通貨 | 10000円 | 100000円 |
取引の利益と損失を求める計算式は以下のようになります。
仮に、ドル円が100円の時に10万通貨購入して100.2で売却した場合+20pipsとなります。
その場合の計算式は、0.2×100,000通貨=20,000円が利益となります。
通貨ごとのpipsの数え方
pipsの数え方は取引通貨ごとに異なりますので、詳しく見てみましょう。
日本円とpips
クロス円である場合、pipsは「1pips=1銭」で数えるため難しくありません。
通貨ペアに日本円が含まれているとしたら、1pipsは0.01円を表しています。
pips | 銭に換算 | 日本円に換算 |
1pips | 1銭 | 0.01円 |
10pips | 10銭 | 0.1円 |
100pips | 100銭 | 1円 |
1000pips | 1000銭 | 10円 |
日本円と別の通貨をかけた場合には、日本円が最小単位になることが多いです。最小単位の1円の1%は、0.01円。そのため1pipsは0.01円になります。
0.01円=1銭であるため、「1pips=1銭」となるのです。
日本円と別の通貨をかけることで1pips0.01円となることを頭に入れておきましょう。
米ドルとpips
通貨ペアに米ドルが含まれているのであれば、1pips=0.0001ドルとなります。
pips | ドルに換算 | 日本円に換算 |
1pips | 0.0001ドル | 0.01円 |
10pips | 0.001ドル | 0.1円 |
100pips | 0.01ドル | 1円 |
1000pips | 0.1ドル | 10円 |
日本円に換算する際には、「現在のドル価格」と表の「ドルに換算」をかけることで算出できます。
また通貨ペアの種類によって、1pipsが表す数字は違います。
「ドル円」などのように表記される日本円との通貨ペアであれば小数第2位、それ以外の場合は小数第4位で覚えていれば問題ないです。
【円を含む通貨ペアの計算方法】
円を含む通貨ペアは少数第2位になるので、1pips=0.01円となります。
仮に、円ドルが100.3円の時にエントリーして、レートが100円まで下がったとします。
その時点では0.3円の損失、すなわち30pipsの損失があったといえるのです。
【円を含まない通貨ペアの計算方法】
円を含む通貨ペアは少数第4位になるので、1pips=0.0001ドルとなります。
仮に、ユーロドルが1.3005の時にエントリーして、レートが1.3010まで上がったとします。
そこで決済すれば0.005円の利益、すなわち5pipsの利益を獲得したといえるのです。
pipsから投資効率を算出する計算式
投資効率は特別な計算でなくても算出が可能です。獲得pips数さえわかれば計算できます。
仮に米ドル/円で取引を行っていたトレーダーが2人いたとしましょう。2人の取引結果は以下のようになります。
この場合どちらの損益も5万円になるのですが、獲得pips数はそれぞれ異なりAさんが50pips、Bさんが10pipsとなります。
利益は2人とも変わらないのですが、獲得pips数はAさんの方が多いのです。
仮にAさんがBさんと同様に50万通貨購入していたとしたら、Aさんの利益は25万円となります。
一方BさんがAさんと同様に10万通貨購入していたとしたら、Bさんの利益は5万円となるのです。
すなわち購入通貨数を揃えた場合には、Aさんの方がより大きな利益を獲得できることになります。
したがってAさんの方が投資効率の良い取引が行えたといえるのです。
1回の取引が効率の良い取引だったのか数値で表すものが投資効率で、この計算をマスターして投資効率が良い取引を目指すことで資産を順調に増やせる可能性が高くなります。
pipsを使用する理由は共通単位が必要だった
情報をわかりやすくするために共通単位として、「pips」という単位が作られました。
例えば、「日本円が1円変動した」は、日本円のレートが1円変動したということがわかります。
しかし、下記の場合はどうでしょうか。
実はこのように通貨が違う場合は変動幅が違くなるのです。
その結果、情報をわかりやすくするために共通単位として、「pips」という単位が作られました。
そのため、10pipsの変動したはどこの国の通貨であっても、「通貨の価格が10pips変動した」と瞬時に理解できるようになったのです。
pipsで理解するのが難しいと感じる人は、「FX取引ではpipsが単位として使用されている」ということだけ頭に入れておきましょう。
pipsが使用されるタイミング
pipsが使用されるタイミングはこちらになります。
pipsはスプレッドの幅を表すタイミングで使用されます。
スプレッドは買値と売値の差のことを表していて、仮に買値が100円で売値が103円だった場合、買値と売値の差は3円であるため、スプレッドは3円となります。
また、pipsは取引結果を表す際にも使用されています。
仮に投資家が10万円の利益が出たと言ったとします。
金額だけだと投資効率が良い取引を行ったように捉えられるのですが、通貨によって値動きが違うので実際の答えは「通貨によって異なる」となるのです。
値動きが穏やかな通貨で10万円の利益を獲得するのは難易度が高いですが、値動きの激しい通貨の場合は5万円の利益を獲得するのは比較的簡単なことなのです。
そこで「獲得できたpipsの数」が重要視されます。投資効率は獲得pips数からはっきりとわかるので、獲得pips数を見たらその取引の効率が良かったのかそうでなかったのかはすぐにわかるのです。
pipsとロットの相違点
pipsとロットをどちらも同じようなものだと思っている人がいるのですが、この2つはそれぞれ別のものと考えなければいけません。
pipsは、通貨ペアごとに異なる決済通貨を管理するのが大変という理由で、値動きの幅を示す単位として海外FXで使用されています。
しかし、ロットとpipsは別物と言っても、“1ロット=○○pipsの値動きで○○円”の損益が発生したというように、ロットをベースとしてpipsを損益計算に使用することもあります。
しかし同じpipsの値動きであっても、ロット数によって損益は大きく変わるのです。
pipsを損益換算する際には、ロット数に合わせて計算するように気を付けましょう。
また通貨ごとに1pipsは変わる点にも注意してください。
pipsで損切りラインを決めないようにしよう
損切りラインはpipsで決めないようにしましょう。
pipsを損切りの基準にするべきではない理由は、エントリーポイントにより損切りpipsが変化するからです。
常時相場は変動しているため、pipsを基準にするのはかなり危険なのです。
損切りラインの基準はpipsにせず、「損しても耐えられる基準」で決めることをおすすめします。
自分で用意できる資金の2~3%の金額が損切りラインの目安です。
損切りラインの目安となる金額を決めておくと、損切りラインに遭遇した際に迷うことなく損切りできます。
多くの投資家が2%ルールを守っているのです。FXで継続的に勝ち続けるためにも、リスク管理を徹底しましょう。
FXのpipsとは?ピップスの意味と1pipsがいくらなのか計算方法をわかりやすく解説まとめ
pipsは値動きや損益を表している単位のことです。
共通してpipsを使用することで、どの国の通貨であっても投資効率を平等に判断できるのです。
通貨ペアごとに1pipsの価値は異なるので、通貨ペアに日本円が含まれていたら1pips=0.01円、米ドルが含まれていたら1pips=0.0001ドルと覚えるのがおすすめです。
「エントリー枚数(取引通貨量)×0.0001×為替レート」という計算式で1pipsを計算できます。
ただし、損切りラインの基準をpipsで決めないように注意してください。
損切りの基準は自己資金をどの程度までなら失っても問題ないかという基準で判断することを推奨します。