ヒンデンブルグオーメンは、アメリカ市場の株価急落の前兆を知らせる呪いの指標として知られています。
4つの条件が重なるとヒンデンブルクオーメンが点灯するのですが、その点灯後にアメリカ市場が大きく下落したことがあるので信ぴょう性が増しました。

10年アメリカ市場をリアルタイムに見てきましたが、ヒンデンブルクオーメンは何度も点灯しては消えを繰り返し、結局暴落が起きなかったあるいは時期がかなりずれて暴落するパターンが多いです。
つまり、点灯してからすぐにポジションを変えても当たるとは限らないということです。
そこで今回は、ヒンデンブルクオーメンは当たらない?的中率とヒンデンブルクオーメン点灯の条件と使い方を徹底解説します。
ヒンデンブルグオーメンとは
ヒンデンブルグオーメンとは、アメリカ市場の株価急落の前兆を知らせる合図のことです。
物理数学者のJim Miekkaによって考案されたと言われているテクニカル指標の1つとして挙げられます。
営業日の度「点灯」あるいは「無点灯」が更新されて、一度点灯すると1ヶ月も経たないうちにアメリカ株式市場が暴落する前ぶれだといわれています。
- 80%の確率で5%以上の下落が発生する
- 1ヶ月以内は有効
実際に点灯後に大きな下落が発生したこともあるので、「呪いの指標」とも呼ばれているのです。
最近の暴落でいうと2020年3月のコロナショックの前の1月28日にヒンデンブルクオーメンが点灯しています。
ちなみに第二次世界大戦前に爆発事故を起こしたドイツの飛行機「ヒンデンブルグ号」がヒンデンブルグオーメンの由来です。
eワラントの提供元のeワラント証券ホームページでは、毎営業日にヒンデンブルグオーメンを更新して公開しています。
ヒンデンブルクオーメンの4つの条件
ヒンデンブルグオーメンが点灯となるためには、4つの条件を満たす必要があります。
4つの条件は、どの株式市場を用いるのか、判定にどの値を使用するかによってシグナル点灯の有無は違います。
そのため、株式投資に対する総合的な有意性からeワラント証券では独自に定義しています。
- ニューヨーク証券取引所での高値更新銘柄と安値更新銘柄の数が、どちらもその日の値上がりや値下がり銘柄合計数の2.2%以上を超えている
- NYSE総合指数の値が50営業日前を超えている
- 短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナスになっている
- 高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を上回らない
ちなみにeワラント証券で公開されているヒンデンブルグオーメンは、
一旦点灯すると条件3「短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナスになっている」が満たされている間は、
他の3つの条件が満たされていなかったとしても継続点灯中とされています。
ヒンデンブルクオーメンが点灯したときの注意点
ヒンデンブルクオーメンが点灯したときの注意点はこちらです。
忘れた頃に暴落がやってくるため、過去の暴落のことを定期的に思い出すことをおすすめします。
また、ヒンデンブルグオーメンの前兆は米国株式市場の合図なので東京株式市場では気にしなくてもいいという人もいるのですが、そんなことはありません。
東京市場は米国市場にアルゴリズムが連動しているので、米国市場が暴落すれば必ず東京市場も暴落します。
ヒンデンブルクオーメンの点灯状況
引用|SBI証券
図では2014年以降のヒンデンブルグオーメンの点灯状況、そしてNYSE総合指数の推移を表しています。
点灯の後に数日で消灯となったものを入れると、31回と意外にも多く点灯していることがわかります。
そして、点灯期間中の変動のほとんどは小幅に留まっていて、点灯したから絶対に急落があるとは言い切れないことがわかるのです。
2018年の2月に起きたVIXショックや年の後半に起きた株安以前にもヒンデンブルグオーメンは点灯していたのです。
最近だと株式相場が2019年5月に大きく下げた直前に点灯が見られていますので、市場関係者たちはこのような経験が忘れられないのではないでしょうか。
図でわかるように大きな下落の前に点灯していることが多いため、ヒンデンブルクオーメンは下落の予兆として多くの人に認知されています。
ヒンデンブルクオーメンを利用したトレード手法
ヒンデンブルクオーメンで暴落の前兆を察知できると、保有株を一度売却し大きく下落した際に買い戻すということができます、
また、暴落を空売りで狙う戦略もできるでしょう。
暴落は値動きが早いため短期間の勝負になるのです。そのためリスクを取れる投資家からすると、かなり魅力のある値動きといえます。
また、暴落が収まったタイミングを見計らい成長株を購入すると、中長期的に投資を行うことができ、3倍5倍、そして10倍を狙うことが可能です。
実際には2020年3月のコロナショックの前の1月28日にヒンデンブルクオーメンが点灯しています。
そして、コロナショックの暴落が収まったタイミングで株を購入していれば、5倍になったと予想される銘柄も多く存在していました。
ヒンデンブルグオーメンを恐れることなく、明確な戦略を考えて相場と対峙していきましょう。
ヒンデンブルクオーメン点灯時の株価の下落率
アメリカの市場では、一時長期金利が1.49%まで上昇しました。そのうえ金利急騰が警戒されることで、ナスダック総合指数は2%以上の下落となってしまったのです。
週足ベースであっても、今までの上昇局面での下値支持線をはっきりと入れてきたように見えます。
「恐怖指数」と言われる米株の変動性指数は26.67へと上昇して、ある一部分では米株の急落の前兆を示す「ヒンデンブルグオーメン」が点灯したことも噂されています。
- 株価が5%を上回り下落する確率…77%
パニック売りになってしまう確率…41%
株式市場で大変なクラッシュが発生する確率…24%
点灯が終わった後は、5%を上回る株式市場が下落する頻度が最も多くて8割です
パニック売りとなってしまう確率も4割、そのうえ4回に1度は大変なクラッシュが起こる可能性があると言われています。
しかし、株価は常に大暴落するわけではありません。
ヒンデンブルグオーメンについて、一度起こると「呪いの期間」は30営業日と言われています。
しかしマクラレンオシレーターがプラスに転じた時には、「呪いは解ける」ようです。
1985年以降に起こったNY株価暴落では、ヒンデンブルグオーメンが先だって発生したと言われているのですがこれはすべてに該当するけではありません。
ただし、現時点ではNY株は継続して史上最高値を更新していて、投資家が高値不安を抱えていることにも頷けます。相場の状態が利益確定売りが出やすくなっていることは確かです。
投資家たちの不安の要因の1つとしてヒンデンブルグオーメンが関わっていることは否定できないでしょう。
ヒンデンブルグオーメンの点灯は高値圏で現れる
2つ目の条件「NYSE総合指数の値が50営業日前を超えている」でわかるように、点灯するのはアメリカの株価が中期的な上昇トレンド高値圏にある時です。
そのため、点灯は下落が継続している時には行われないことがわかります。
つまり、どのタイミングで利益確定を行うべきか考えて投資家たちが敏感になっている時に点灯が起きます。
ですので、ヒンデンブルグオーメンが点灯したとしても、必要以上に警戒しなくてもいいのです。
投資戦略を改めて考え直すべきタイミングが来たという合図のひとつとして利用するのが良いでしょうか。
ただし、ヒンデンブルグオーメンが点灯してないからといって、買いのタイミングだとは判断できないことに気を付けましょう。
ヒンデンブルグオーメンは上昇トレンドにおいて急落サインとして役立つ一方で、ヒンデンブルグオーメンのみに頼りきり投資判断を行うことはできません。
どんな時であっても、相場のトレンドの把握が大切といえます。
ヒンデンブルクオーメンは当たらない?的中率とヒンデンブルクオーメン点灯の条件と使い方まとめ
ヒンデンブルグオーメンが当たるか当たらないかでいうと、全て当たるならみんな利益を出してると思いますので微妙なところです。
ヒンデンブルグオーメンはテクニカル指標のひとつでアノマリーやジンクスなどに近い存在ともいえるでしょう。
どんなタイミングで予想外の暴落が起きるかはわからないので、ヒンデンブルクオーメンを注視しつつしっかりとリスク管理や資金配分は行っておきましょう。